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債券レポ市場の概要

  • 現金担保付債券貸借取引(債券レポ取引)は、1996年4月にスタートした。債券レポ取引が誕生した背景としては、以下のような要因が挙げられる。
    ①長期国債を用いた現先取引には有価証券取引税が課せられていたため、それに代わって債券と資金が円滑に交換できる市場が待望されていたこと。なお、有価証券取引税は1999年3月31日をもって廃止となっている。
    ②1995年のベアリングス証券破綻を契機として無担保の債券貸借取引のリスクがクローズアップされたこと。
    ③国債取引のローリング決済移行に際し、同決済の円滑な運営には債券貸借市場の整備が不可欠との認識が高まってきたこと。
    ④このような状況下、規制緩和によって債券貸借取引に課せられていたⅰ)現金担保に対する付利規制(有担保コール出し手レートマイナス1%)、ⅱ)現金担保の下限規制(105%ルール)が撤廃となり、現金担保付きの債券貸借市場を事実上阻害していた要因が取り除かれたこと。
  • 一般的に、日本においてレポ取引は貸借形式を指しており、海外のレポ取引(売買形式、日本における現先取引に該当)とは法的形式が異なっている。ただ、経済的実態は基本的に同一である。
◆法的性格 現金を担保とする債券貸借取引で、貸借期間終了後には、貸出の対象銘柄と同種・同量の債券を返済する債券の消費貸借取引である。
◆取引開始日1996年4月1日(当社取扱開始日)
◆取引の種類債券レポ取引は、取引の特性により次の2種類に分類されるが、受け渡しや経理処理上の区別は無い。
[SC取引]特定銘柄取引(Special Collateral)
SC取引とは、銘柄を特定する債券貸借取引をいい、資金取引の要素は薄い。従来からの無担保の債券貸借取引に現金担保をつけることで、信用リスク懸念に対応した取引手法になっている。
[GC取引]非特定銘柄取引(General Collateral)
GC取引とは、債券の銘柄を特定しないで行う債券貸借取引をいい、資金取引の要素が強い。言い換えれば、債券を担保にして資金の運用・調達を行う取引である。
◆市場参加者 オープン市場であり、取引参加者は金融機関に限定されていない。しかし、リスクコントロール条項等の事務的負担の重さやDVP決済が市場慣行となっていることなどから、事業法人の参加はほとんど無い。金融機関同士での取引が大部分を占めている。銀行、信託銀行、保険、証券、投資信託、短資等の業態が主な参加者である。
◆市場規模 債券レポの取引残高は、99.8兆円である(2014年3月末現在 日本証券業協会)。
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