短期金融市場セミナー
日中コール市場
概要
- 2001年のRTGS化実施に伴い、日中の流動性資金の確保を図るために創設された取引。それ以前は「半日物コール」(注)が同様の役割を担っていた。
- 日中の一定時間において出金と入金のタイムラグ、また手形決済や外為円決済、全銀為替決済等の民間集中決済資金の一時的不足を埋め合わせるために、コール資金の貸借を行う。原則として担保を伴わない取引で、債務表記の手形の受渡しも行わない。
- 時点決済における日中取引で、朝半物、午後半物、夕半物の3 種類の取引があった。
取引方法
「オーダーの内容確認」 | ①ディーリング方式かブローキング方式のどちらか ②資金の出し手・取り手の区別 ③スタート及びエンド決済の時間 ④金額 ⑤レート |
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[ディーリング方式] | 日中コール出し手から短資会社は自己勘定で資金を取り入れ、日中コール取り手へ自己勘定で資金を貸し出す方式。 |
[ブローキング方式] | 短資会社はあくまで取引の媒介を行うのみで、資金決済は日中コール出し手・取り手の当事者間で直接行う方式。 |
[レートの刻み幅] | レートの刻み幅は原則として100分の1%刻み、マーケットの環境に応じて1000分の1%刻みも併用できる。 |
[決済時間帯] | 決済の時間帯は標準物として①9:10~13:00、②9:10~16:30、③13:00~16:30、④14:00~16:30の4種類が設定されているが、当事者双方の合意によりこれ以外にも取引時間内であれば自由に時間帯を設定できる。 |
[資金決済および資金授受方法] | 資金決済は日銀ネットの当座預金振替で授受し、当日営業時間内の返済時間までに完了する。 |
[利息計算] | 利息=(元金×レート× 1日)÷365日(円未満切捨) |
[約定確認] | 取引約定後、短資会社は約定確認データを入力し、センター経由で取引当事者に配信。取引当事者は確認後、OKの約定確認のサインを入力送信。約定確認が完了すると「コール資金取組票兼利息計算書」または「コール資金媒介報告書」が出力される。 |
カットオフタイム
カットオフタイム | カットオフタイムとは、当日約定で決済をする場合のスタート決済時間から逆算した約定時間をいう。原則としてスタート時間の30分前までを目途とする。なお、日中コール取引は先日付での約定も可能である。 |
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