短期金融市場セミナー

有担保コール市場

取引の概要

  • わが国のコール市場は、1901年の金融恐慌の経験に基づき、銀行が支払い準備金としてコール資金の必要性を認め、金融機関相互間の資金尻調整の場として創設された。その後、1927年の金融恐慌を経て、コール資金の取引は有担保原則が確立されることとなった。
  • 取引方式には「ディーリング方式」と「ブローキング方式」がある。また、取引の法的性格は担保付金銭消費貸借である。

ディーリング方式

  • 資金の出し手金融機関から、短資会社が自己勘定で資金を取り入れ、取り手金融機関へ自己勘定で資金を貸し出す方式(担保は資金の取り手から短資会社へ、出し手には短資会社から差し入れられる)。
①オファー・ビッド制資金の出し手(オファーサイド)と資金の取り手(ビッドサイド)の双方から取引希望条件(金額・レート・期間・担保種類等)の提示を受けて、短資会社が出合いをつける。
[取引金額]最低取引単位は原則として、5億円以上で1億円刻み。
[取引レート]オファー・ビッド制による自由レートで、資金の出し手・取り手と短資会社が合意したレート。
②気配値制      各短資会社が呈示するレート(その日の市場環境を勘案の上、各短資会社が独自に決定したレート)を適用する。
[取引金額] 原則として5億円未満で、最低取扱単位は1000万円以上100万円刻みとなっているが、量的緩和及びゼロ金利政策下では5億円を大幅に超える取引が主流となっている。

ブローキング方式

  • 短資会社はあくまで取引の媒介を行うのみで、原則として資金決済・担保品授受は資金の出し手・取り手の当事者間で直接決済する方式。
[取引金額] 最低取引単位は原則として、5億円以上で1億円刻み。
[取引レート] オファー・ビッド制による自由レートで、資金の出し手・取り手の双方が合意したレート。
[担保と資金の決済] スタート時刻を目処に、資金の取り手は資金の出し手に担保を差し入れる。担保の振替を確認の上、資金の出し手は資金の取り手へ資金決済を行う。エンド日には、エンド時刻を目処に逆の流れが行われる。

担保の取扱

[担保の種類と掛け目] 有担保コール取引における担保差入金額の計算は、割増し担保差入方式の掛目により行う方法(掛目方式)が主流である。担保価額の算定については原則「短資協会インターバンク取引市場要綱」に記載された担保価額を適用する。掛目については年1回見直しを検討するとともに、政策金利の変更があった場合などには随時見直すこととしており、直近では2009年3月に見直しを行っている。
[担保品の授受] 手形などを担保とする取引は「短資取引担保センター」内で口座振替により一括処理される。振決国債を担保とする取引は、日本銀行の「国債振替決済制度」を利用して処理される。
[担保権] 「有担保コール取引担保約定書」第4条(担保権)に質権であることが明記されている。
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