短期金融市場セミナー

コール・手形市場の取引概要

概要

  • コール・手形市場は民間金融機関が短期的な手元資金の余剰や不足を調整するための市場であり、money at call(呼べば直ちに戻ってくる資金)をその名の由来としている。コール市場は①有担保コール市場②無担保コール市場③日中コール市場の3つに分類できる。コール取引は有担保取引が原則であったが、1985年以降は無担保取引も行われるようになった。
                                        
◆取引の種類 有担保コール取引(ディーリング方式とブローキング方式)
無担保コール取引(ブローキング方式)
日中コール取引 (ディーリング方式とブローキング方式)
手形売買取引  (ディーリング方式)(注1)
◆取引開始の手続き約定確認システムや担保センターへの加入については短資協会との間で契約を締結する。また、「有担保コール取引担保約定書」、担保センター担保振替に係る「覚書」等を短資会社と取り交わす。
◆取引約定の手段テレフォン・マーケット。その他、情報伝達を行うため、「ボイス・ボックス」や「情報ベンダー」を活用。
◆取引時間原則午前8時30分から日銀当座預金振替終了時(通常日は午後5時、月末は午後6時)までとなっている。ただし、取引当事者間の合意を制限するものではない。
◆取引レート原則として100分の1%刻み及び32分の1%刻みの併用。マーケット環境に応じて1000分の1%刻みも併用できる。
◆オーダーの条件提示市場参加者が短資会社にオーダーをする場合、取引種類、条件、取引金額、取引レート、スタートとエンド日の資金決済時刻等の必要条件を明確に提示する。
◆約定の確認約定確認システム参加先とは、短資会社は約定データを入力して約定確認センター経由で参加者に配信。参加者は確認後、OKサインを送信して約定が成立する。成立すると「コール資金媒介報告書」又は「コール資金取組票兼利息計算書」(注2)が出力される。約定確認システムを導入していない取引先、また手形売買取引の約定確認は、FAX送信することで約定確認を行う。
◆資金決済当日物約定は、原則として約定から1時間以内に資金決済し、エンド日には原則として午前9時以降速やかに、遅くとも午前10時までには資金決済することになっている(返金先行ルール)。先日付物約定は、当事者双方の合意があれば自由に資金決済時刻を決めることができるが、条件が提示されない場合は、市場慣行によりスタートおよびエンド日の両日ともに午前10時までに資金決済することになっている。
◆資金の決済方法原則として元金・利息とも日銀ネットの当座預金振替で決済する。日銀に当座預金を開設していない先は、銀行等の代行決済口座を通じて決済を行う。
◆利息・割引料計算利息・割引料=(元金×日数×レート)÷365(円未満切捨)
日数:片落ち、レート:年利%
利息についてコールはエンド日払い、手形売買は割引方式とする。
◆書類等の受渡取引先との現物および証票類の搬送並びに受渡業務は、短資各社が短資協会に委託して共同受渡を実施している。
◆コール取引における
 約束手形の取扱い
資金の取り手は、出し手宛に「一覧払い約束手形」を振り出す。ただし、当該取引当事者双方の合意があれば取引に伴う約束手形は非発行とする扱いもできる(手形レス取引/2002年5月より導入)。日中コール取引は約束手形の授受を伴わない。
◆コール取引の法的側面「金銭消費貸借契約」と考えるのが通説。
  • コール取引の期間延長や、主要な資金供給オペが「手形買入オペ」から「共通担保資金供給オペ」に変わったことなどにより、ほとんど成立することがなくなった。
  • 「コール資金取組票兼利息計算書」はディーリング取引で、「コール資金媒介報告書」は、ブローキング取引において出力される。
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