短期金融市場セミナー

有担保コール取引の担保

担保の種類

  • 有担保コール取引の適格担保は、原則として日銀借入適格担保と、それに準じる担保となっている。現在、適格担保として使用している担保の種類および掛目は次表の通りである。なお、当事者間の合意により以下の料率以外の掛目による取引も可能である。
  • これらの担保の処理については、1995年9月18日から「短資取引担保センター」にて一括処理を行っている。ただし国債振替決済制度による振決国債(国庫短期証券を含む)は、担保センターの取扱対象外となっている。

担保の掛目(2014年3月31日現在)

種 類 担保価額
超長期国債(変動利付国債以外) 取引金額に対し額面で10%増
変動利付国債 取引金額に対し額面で10%増
長期国債 取引金額に対し額面で4%増
中期国債 取引金額に対し額面で2%増
短期国債(国庫短期証券) 取引金額に対し額面で1%増
金融債 取引金額に対し額面で20%増
世銀債 取引金額に対し額面で20%増
その他の公社債 取引金額に対し額面で20%増
円貨手形 取引金額に対し額面で25%増
外貨手形(円貨換算後) 取引金額に対し額面で25%増
短資取引担保株式預り証 取引金額に対し額面で0%増
日銀売出手形 取引金額に対し額面で0%増
  • 上記の担保価額に関して状況に変化が生じた場合は、別途取引当事者の合意による。担保割れ銘柄(*)については、資金の出し手の承諾なく担保として利用しないものとする。
  • 担保割れ銘柄とは「差入担保銘柄の時価×掛目」が取引金額を下回る銘柄のことをいう。
    (例)上記の担保掛目を用いた場合、時価99.00の短期国債は担保割れ銘柄となる。
       差入担保銘柄の時価99.00×短期国債担保掛目101%=99.99<取引金額100
「外貨手形(円貨換算後)」

外貨建手形(US$建て、本邦居住者振出、支払地本邦内に限定)の邦貨額は、手形金額に「邦貨換算率」を乗じて得た金額。「邦貨換算率」は、前月の東京外国為替市場の円・ドル相場の月中平均の75%で算定し、毎月の第4営業日に短資協会が発表し、第5営業日から適用する。

「日銀売出手形」

日本銀行が金融市場の余剰資金を吸収するため、日本銀行の自己宛・自己引受・自己受取とする為替手形。

「担保価額」

担保価額は、取引金額に対し「増し担保率」分を増した額面金額となる。


コール担保の振替決済制度と諸制度

  • 担保品の現物を搬送する際の危険回避と事務合理化のため、次の諸制度が設けられている。
  • これらの制度を利用するには、制度参加者になる必要がある。
  • 従来、制度としてあった「短資取引担保債券預り証書制度」は、制度の利用状況等に鑑み2001年5月31日をもって廃止された。
  • 2003年1月より開始された「社債等の振替に関する法律」に基づく新しい「国債振替決済制度」においては、振決国債の譲渡を受けて行う国債代用証書の発行取扱いはなくなった。これを受けて制度としてあった「短資取引担保登録国債代用証書制度」は、2006年1月9日をもって廃止された。
  • 「公社債流通金融担保登録公社債」および「短資取引担保登録社債等」の代用証書の新規発行は、「証券保管振替機構」において「一般債振替制度」が稼動する2006年1月9日をもって停止された。既発行分の利用も2007年5月31日をもって経過措置期間が終了し「代用証書制度」は廃止された。
「国債振替決済制度」

国債の売買や有担保コールの担保取引等に伴う受渡を、日本銀行にある振替口座簿上の口座振替で処理する制度。当制度は国債の売買の増加を背景に、国債の受渡、保管等の合理化を図る目的で1980年2月に創設され、1990年5月からは、「日銀ネット国債系システム」の稼働によりオンラインで処理されている。 その後、2003年1月より施行された「社債等の振替に関する法律」(=社振法)に基づく国債のペーパーレス化に伴い、帳簿上の振替により所有権が移転するなど、法的な枠組みが大きく変わった。施行後は、新規に発行される国債は振決国債のみとなり、現在では発行残高の99%超が振決国債となっている。2014年7月末現在の国債振替決済制度の参加者は281社、間接参加者が981社、外国間接参加者が130社となっている。 決済は以下の2方式がある。

○ DVP(Delivery Versus Payment)方式(担保の受渡と資金決済を同時に行う)
○ FOP(Free of Payment)方式(担保の受渡と資金決済を別々に行う)

「短資取引担保株式預り証」

証券金融会社が保有する株式を証券取引所に寄託し、これに基づき証券取引所が預り証を発行する制度が1951年5月に創設された。この預り証がコール取引の担保として使用される。なお、この預り証は当制度の参加業者間においてのみ有効である。

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