| 金融市場時事用語解説 |
| 有価証券の種類 | ||
証券市場において、資金を調達する者が発行するのが有価証券であり、証券取引法上の有価証券は次の18種類となっている。
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・小切手や約束手形および抵当証券は証券取引法上の有価証券ではない。
・証券または証書に表示されるべき権利以外の権利であっても、次のものは有価証券とみなす。
注釈
(参考:「証券取引法及び関連法令」経済法令研究会)
| 金融機関の証券業務 | ||
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※ アンダーライター業務とセリング業務の違い
アンダーライター業務では、引き受けた有価証券が売れ残った場合に、引受金融機関が売れ残ったものを引き取ること(残額引受)も含まれるが、セリング業務では売れ残っても、引受金融機関には引き取る責任がない点が異なる。
(参考:「証券取引法及び関連法令」経済法令研究会)
| 資産の証券化 | ||
資産の証券化とは、金融機関や企業が保有する金融資産(住宅ローン債権、クレジット債権、売掛債権、リース債権等)や不動産といった本来流動性のない資産を、信託や特別目的会社(SPC)等を活用し、有価証券等流動性のある市場型の商品に作り替える手法を指す。わが国では、証券取引法が有価証券について限定列挙主義をとっており、新たに開発された商品を有価証券とするためには政令指定が必要となる。そのため証券化商品が、ただちに証券取引法に基づく有価証券に該当せず、投資家保護の観点から転売規制などを設ける場合が一般的であり、流動化と呼ぶ場合も多い。これまでのわが国における資産の証券化は、住宅ローン債権や貸付債権など金融機関が持つ資産を対象としたものが中心であったが、94年に「特定債権等に係る事業の規制に関する法律」(特債法)が施行され、リース・クレジット債権についても証券化の対象となった。このほかにも企業等にとっては、売掛債権など他の資産に関しても証券化のニーズは極めて高いが、わが国の制度では利用可能な証券化スキームに制約があるため、海外で証券化を行う場合が多い。国内の資産証券化市場発展のため政府は、96年に証券化市場を発展させる上で重要な担い手となる証券会社に対し、兼業業務として金銭債権の売買、売買の媒介業務を認め、債権流動化を促進するなど、証券化市場の環境整備に取組んでいる。しかし、わが国証券化市場は、依然として欧米に比べ各種規制が多く存在し、また法的に未整備な点も多い。わが国の金融機関の競争力を強化するためにも、さらなる規制の緩和・撤廃が必要であり、商品開発の自由化や証券化商品の販売対象の拡大・販売単位の引下げなどの具体的検討が行われている。
(参考:「第六版 金融証券用語辞典」銀行研修社)
| ラップ口座 | ||
ラップ口座は、証券会社が自社・他社を問わず、ファンドマネージャー(投資運用会社)の利用を斡旋することで、投資家の資産管理・運用を行い、顧問料、売買手数料、口座管理料などを一括して徴収する口座のことであり、顧客の資金を「包み込む(wrap)」ことからこの名がある。1975年5月1日に米国で株式委託手数料が自由化された直後に導入されたが、この10年間で活発に利用されるようになった。ラップ口座の利用は、証券会社にとっては安定的な収益源の確保に繋がり、その結果として高格付がもたらされ、資金調達コストが低下し、競争力向上が期待できる、というメリットがある。ファンドマネージャーにとっては、ラップ口座のネットワークに入ることで、指名されれば収益拡大への道が開かれる。また、投資家にとっては、費用負担が相対的に低くなり、資金性格に応じた効率的な投資が可能となる。米国では、こうした本来の型(コンサルティング・ラップと呼ばれる)に加えて、ミューチュアル・ファンド・ラップという投信を用いたラップが近年拡大傾向にある。これは通常、証券会社の一任勘定となり、自らが直接投信組入れに関する助言を行う。これにより投信運用上の競争が促進され、投資家にとっても商品選別の煩雑さから開放されることになる。
| 不胎化政策 | ||
かつて歴史上経験のないゼロ金利下で、経済辞書にも存在しない用語である。
不胎化政策とは通価当局がドル買い介入を実施した後で、その対価として金融市場に放出した円資金を日銀当局が日々の金融調節の中で吸収してしまうことを云う。為替介入に伴った円は日々の資金需給からは切り離され、直接影響することのないよう配慮された政策である。逆に為替介入で市場に放出された円資金をそのまま市場に滞留させることで資金需給を緩め、金融緩和効果を量的な部分でも支えようとする政策が非不胎化政策と云うことになる。今回政府は急激な円高により回復基調の企業業績が悪化し、再び日本経済の景気回復に水を差すことにならないよう、日本単独では効果の得られそうも無いドル買い介入に米国の協調を取りつけることが必要であった。G7前に金融政策も含めた内需拡大策を米国に示すことで協調を得たかった節があるが、速見日銀総裁は「既に充分に金融が緩和されているもとで、更に量的緩和を行ってもその効果は期待できない」とすることで、それまでの金融政策決定会合での決定を指示する立場を市場に伝え、日銀が独立している存在であることを内外に伝えた。非不胎化政策を行うことで量的緩和にすることを、米国金融当局が本当に求めていたのかどうかは不明である。
| 新BIS規制(当初案) | ||
国際的な営業活動をする銀行が達成しなければならない自己資本比率の規制のことです。各国の金融当局や中央銀行から構成される国際決済銀行(BIS)が世界共通の大枠を決めていることからこう呼ばれています。資産総額に対して自己資本の占める割合が自己資本比率ですが、銀行の経営が健全であるほど、比率が高くなります。現在は8%以上の自己資本の維持が義務づけられています。
ただ現行のBIS規制が使用している自己資本比率の計算方法には問題があります。分母には企業向け融資などの残高に焦げ付きのリスク(危険度)を数値化したリスクウェートを掛けて算出した資産総額、分子には株主資本に株式の含み益などを加えた広い意味での自己資本を使って算出しますが、リスクの評価が大まかすぎるとの指摘があります。例えば民間企業向け融資の場合、リスクウェートは一律で、融資先の信用度や経営の健全さは反映されません。政府・公共機関向け融資も、経済協力開発機構(OECD)加盟国向けと非OECD加盟国向けの区別があるだけです。
99年6月、BISのバーゼル銀行監督委員会はBIS規制の見直し案を公表しました。民間企業向け融資は、融資先の格付け別にリスクウェートが20%から150%の3段階に分けられました。また政府・公共機関向け融資も、融資先の格付けに応じて0%〜150%の5段階に細分化されました。これにより信用度が高い国や民間企業への融資はリスクウェートが減りますが、逆の場合はリスクウェートが膨らみ、自己資本比率を押し下げることになります。バーゼル委は2000年中には最終的な枠組みを固め、2002年から2003年をメドに新規制を適用したい考えです。
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(参考:日本経済新聞社「きょうのことば 1999年9月号」)
| 債券レポ市場 | ||
規制緩和の一環として平成8年1月に従来の「債券貸借取引」における現金担保の付利制限および取引担保金の下限規制が撤廃された。
付利制限とは、現金担保金に付利する金利は「市場レート(有担保コール翌日物出し手レート)マイナス1%を上限とする」というもので、これは同様な経済効果を持つことができる現先取引と貸借取引を区別するために設けられたものである。取引担保金下限規制は、「国、地方公共団体、証券会社、金融機関に債券を貸付する場合は取引担保金を受け入れなくとも良いが、それ以外の場合、貸借対象債券の時価の105%を下回らない金額の取引担保金を受け入れる」というものである。これらの規制により実質的に現金担保で貸借取引を行うことができない状況だった。
これらの規制の撤廃により、従来の債券貸借取引に現金担保を付することで安全性を高めると同時に債券と資金の交換が円滑に行われる債券レポ取引が実質的に機能することになり、平成8年4月よりスタートした。
本来レポとは、Repurchase Agreement(=買戻し条件)付の売買取引形態を意味する。一方、日本においては従来の債券貸借取引の一形態として消費貸借の枠組みで行われており、海外で行われているレポ取引とは取引形態が異なることに注意が必要である。
| マージン・コール制 | ||
マージン・コールとは債券レポ取引において授受されている担保金額と値洗い時の基準担保金額の差額(担保金の過不足額)を値洗い期間中いつでも取引の相手方に請求することができる権利です。債券の貸し手・借り手のどちらかに請求権があるかについては、債券時価の動きにより左右される。
例えば、債券時価が経過利子も含めて100から101に上がった場合、債券の貸し手側に“1”の請求権が発生し、債券の貸し手が請求(請求権の行使)を行うことによって、債券の借り手に追加担保金の差し入れ義務が発生する。この場合、請求権を行使するかどうかは債券の貸し手の自主的な判断による。
尚、マージン・コールは担保金調整の通知を行うことで行使される。マージン・コールを行使された側は必ずその請求に応じなければない。
| 金融安定化のための公的資金枠 | ||
政府・与党が金融システム安定化のために用意した公的資金は合計で60兆円。内訳は預金者保護のための17兆円、国有化銀行の資金繰り支援などに充てる18兆円、金融機関への資本注入に使う25兆円。このうち、預金者保護に使う交付国債7兆円を除く53兆円は、政府保証付きの借り入れや債券発行でまかなうので、国民負担に直結するわけではない。優先株などを購入する資本注入は配当がつくうえ、銀行経営が健全化すれば高値で売却できる可能性もある。(→QUICKより)
| 交付国債 | ||
もともとは第2次大戦の戦没者の遺族や強制引き揚げを余儀なくされた引き揚げ者を支援するため、現金の代わりに支給した国債。通常の国債は国が収入を得るのが発行の目的なのに対し、交付国債は生活者援助という特定の理由があった。数万円から数十万円の券面が普通で必要に応じて現金化できるが、性格上、譲渡が禁じられている。
金融システム安定化のために準備した7兆円は異例の用途と言える。国の予算で預金保険機構の勘定に必要と見積もられる金額を計上している。破綻金融機関処理のため、預保機構に準備された交付国債は7兆円。預保機構は資金が必要になった場合、交付国債の現金化(償還)を政府に要請、政府は国債整理基金特別会計から償還資金を拠出する。国債整理基金で足りない場合、一般会計で補填することになっている。
| ローリング決済 | ||
資金取引などの市場取引は、約定日から受渡し日までに一定の日数が設けられ取引されている。通常は約定日の2営業日先が受渡し日とされ、約定日が変わる都度、受渡し日がロールして決済される取引をローリング決済と呼ぶ。
(参考:「第六版 金融証券用語辞典」銀行研修社)
| 日本円TIBOR及びユーロ円TIBOR (Tokyo Inter-Bank Offered Rate) | ||
(日本円TIBOR)
本邦短期金融市場における銀行間取引において資金の出し手銀行が示す日本円の金利のことをいう。無担保コール市場の金利を反映した金利であり、企業間融資や変動型住宅ローンの基準金利として利用されている。国際金融市場ではLIBOR(London Inter-Bank Offered Rate)が金利決定の基準として、広くシンジケート・ローン、金利・通貨スワップなどに適用されているが、わが国でも、平成6年10月にFRAが解禁されたのを契機に、市場関係者の間で本邦通貨についての指標金利を公表する気運が高まり、短期金融市場活性化の一環として主要行が個別に情報提供会社(情報ベンダー)を通じて公表されるようになった。しかし、情報ベンダー毎に異なることもあって、平成7年11月16日より、全銀協(全国銀行協会連合会)が、本邦短期金融市場の実勢を反映した日本円のリファレンス・レートである日本円TIBORの公示性・指標性の向上を図り、金融業務の基盤整備に資することを目的として、個別に提示されていたものを集計し、一括公表している。対象は、無担保コール市場の実勢を反映した日本円のoffered rate(365日ベース、SPOTスタート物、1週間及び1ヵ月から12ヵ月の13種類)。リファレンス・レートはリファレンス・バンク(全銀協が指定する金融機関)17機関が提示する午前11時時点の公表対象レート(11時15分までに指定された方法により呈示)のうち高低それぞれ2機関を除く13機関の単純平均で算出される。企業向け融資や変動型住宅ローンの基準金利として利用される。
(ユーロ円TIBOR)
更に、全銀協は、本邦オフショア市場の実勢を反映したユーロ円リファレンス・レートの公示性・指標性の向上を図り、もって金融業務の基盤整備に資するため、平成10年3月2日(月)より、「ユーロ円TIBOR」を公表している。
1週間及び 1か月〜12か月物の13種類の金利(360日ベース、スポットスタート物、100分の1%刻み)とし、全銀協が指定するリファレンス・バンクからの呈示レートに基づき算出する。また、VALUE DATEは2営業日後(東京)。
17行のリファレンス・バンクは、午前11時(東京)時点の1週間及び1か月〜12か月物の13種類のレート(360日ベース、スポットスタート物、100分の1%刻み)を午前11時20分までに指定された方法により呈示する。呈示するレートは、トレーダブル・レートではなく、マーケット・レート(各リファレンス・バンクが、午前11時時点の本邦オフショア市場におけるプライム・バンク間の取引を想定した場合に、市場実勢と見做したレートであって、自行のポジション等に影響されないレート)としている。
算出方法は、リファレンス・バンクから呈示された1週間及び1か月〜12か月物の13種類のレートについて、各期間レートにおける呈示レートのうち、最高の2行の値および最低の2行の値を除外して、単純平均して算出する(小数点以下6桁目を四捨五入した小数点以下5桁目までの数値)。
公表方法は、指定された情報提供会社を通じて、毎営業日、正午までに公表される。
全銀協は、日本円およびユーロ円TIBORのリファレンス・バンクの定例見直しを行い、TIBORレートの継続性維持に配慮するとともに、市場取引残高(含む円資産残高)、レート呈示実績、およびリファレンス・バンク参画業態の多様化を考慮し、その補充も行っている。
現在のリファレンス・バンクは(2008年4月1日より)、
(日本円TIBOR)
みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、みずほコーポレート銀行、埼玉りそな銀行、横浜銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、中央三井信託銀行、住友信託銀行、新生銀行、あおぞら銀行、デプファ・バンク・ピーエルシー、信金中央金庫、農林中央金庫
(以上、16金融機関)
(ユーロ円TIBOR)
みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、みずほコーポレート銀行、横浜銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、中央三井信託銀行、住友信託銀行、新生銀行
ジェー・ピー・モルガン・チェース・バンク・ナショナル・アソシエーション、ドイツ銀行、ユービーエス・エイ・ジー、信金中央金庫、商工組合中央金庫、農林中央金庫
(以上、17金融機関)
(参考:「第六版 金融証券用語辞典」銀行研修社)
| 一括清算(close-out)ネッティング法 | ||
ネッティングとは、一般に当事者間に複数の債権・債務が存在する場合に、それらの債権・債務を差引計算(net-out)して単一の債権または債務に置き換えることとされている。ネッティングには、二者の間で取決めが行われるもの(bilateral)と、三者以上の間で取決めが行われるもの(multilateral)とがある。ネッティングに関しては、法律問題をはじめとしてシステム対応の問題、会計処理の問題等多岐に亘って議論されているが二者間の取決めの方が三者以上間のものよりも議論が深められ、普及している。そして、二者間の取決めには次の三種類がある。
(参考:「第六版 金融証券用語辞典」銀行研修社)
| RTGS(Real Time Gross Settlement)化 | ||
即時グロス決済は、支払指図の発信時点で1件ごとに賃金決済の手当てを要することから賃金効率は悪い。その反面、賃金の未決済残高が累積しないこと、および支払指図の1件ごとに賃金決済が行われることから、債務不履行があってもその与える影響は相対の金融機関のみに限られ、時点ネット決済のように一つの金融機関の債務不履行が決済システム全体に影響を及ぼしその機能を麻痺させるという事態にまでは至らない。このことから、システミック・リスク削減の見地より、最近は中央銀行の運営する決済システムは、時点ネット決済よりも、日中流動性の供給する手段を加えたRTGS(即時グロス決済)の方が望ましいとする考え方が広がってきており、英国では1996年歳2四半期を目途にRTGSの導入が図られている。
(参考:「第六版 金融証券用語辞典」銀行研修社)
【時点決済と即時グロス決済の違い】
(コール取引の場合)

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